6月2日土曜日 稗原コミュニティセンター 稗原クラブ 講演ライブ
 出雲市の南に位置する稗原町にあるコミュニティセンター、つまり公民館ですね、そこでの講演ライブ。65歳以上の方が32%を越す高齢者地域のお年寄りさんのクラブからの依頼。
 しっとりと落ち着いた、いかにも奥出雲といった風情の町並みは何だかほっとさせてくれる。
 参加者は約70名。平均年齢...明らかに70は越している。そして、こういう会には珍しく男性が多かった。2/3は男性。
 タイトルは「心に夢を 唇に歌を 超高齢化社会を生き抜こう!」
 とかく「夢」を見ることが罪悪でもあるかのような日本の高齢者福祉の中で、あくまでも自分らしく、自分だけの夢を追い掛けて生きていこうよ~的な話しを歌をまじえて1時間半。
1.A Song 「生きてゆきたい明日を命燃やしながら」貧しくて、何もない時代(本当は何もなかった時代ではなくて、大切なものはみんなあったんですね)を生き抜いて来た方々だからこそ、何でもある時代(であるからこそ、本当に大切なものに気づけなくなった時代でもありますかね)を首をかしげながら生きる次世代の人達に伝えられるものが、まだまだたくさんある。
2.誰のためでもない 自分のために頑張る、生きる、遊ぶ、これでいいんでないか。ただ自分のため「だけ」に生きるのはどうなのかな。そして、老若男女を問わず人間、いや、動物だって植物だってほめてもらった方が成長できると思う。「よくやった!」そんな言葉だけでなくてもにっこりと笑って頷いてくれるだけで「次ぎも頑張ろ!」と決心したりするものだ。
3.私の青空 「狭いながらも楽しい我が家」家庭や、故郷や、何でもいい、自分の一番自然にいられる場所がやっぱり欲しいもの。
4.りんご 長年積り積った苦しみや悲しみ、罪悪感は知らないうちに心の暗部にしまいこまれて、自分でも判らなくなってしまうことがある。でも、確かにそこには何かがあり、常に自分の心の柔らかい部分を圧迫し続けている。そんな、苦しみや悲しみ、罪悪感は、一度言葉にしてみるのが案外、すっきりするものだ。詩に書くもよし、エッセイを書くもよし、他人が作った共感できる歌を歌ってみるもよし、様々な方法がある。
5.花 「泣きなさい笑いなさい」時には抑え切れない感情を思いっきり吐露してみるのも大切なこと。
 
6月3日 日曜日 斐川町立図書館まつり 「ゴーシュのお話音楽会」
 昨日とは打って変わって、この日は子ども達が対象。平均年齢は...5、6歳か。
 まず最初にチェロとピアノでわかりやすいクラシック曲の演奏。
1.サン=サーンス 白鳥 ピアノで表現する湖のさざなみ、そして、その上を滑るように泳ぐ白鳥、そんな映像を音楽で思い浮かべることができるかな?
2.ドボルザーク ユーモレスク ドボルザークは機関車が大好きだった。その走る時の音がこの有名な曲には取り入れられている。そして、いかにも楽し気な曲だけど、その奥底にある「ふるさとに帰りたいな~」という思いが伝わるかな?
3.「ずっと、ずっと大好きだよ」という絵本の「読み聴いてもらい」(「読み聴かせ」という言葉は何だか押し付けがましくて嫌い)バックに家内のピアノの即興演奏を流してもらい、その音楽に後押しされながらの音読、これはなかなか心地よいよ!そして音楽にはこんな力もあるんだよ~と子ども達に知ってもらいたかった。
4.木村弓 「ハウルの動く城」より「世界の約束」 「世界の約束」って一体何だろう?それは誰もが幸せになりたくて生きているということではないかな?
5.久石譲 「ハウルの動く城」よりワルツ
 終了後、目をまんまるに輝かせた女の子が、楽器を片付けている僕のところに近付いてきた。そのうち少し大きい方が...
「うちにね、うちにね、ハウルのDVDあるよ!今日はまた観ようかな!曲も全部知ってたよ!」
 すると、近くにいた、小さい方の女の子が...
「あんね、あんね、うちにね、ハウルのでぇぶいでぇがあるよ!」
 この子達は姉妹なんだな。
「よかったね!おっちゃんも大好きだから、うちでハウル観ようかな~ハウルってカッコいいね」
「うん!すてち!(きっと「素敵」の意味だろうと思う)」
 お母さんとおぼしき女性が傍らで何度も頭を下げている。
「さ、帰ろっか~?どうもお邪魔してすみません!とても楽しかったです!」
 すると小さい方の女の子が...
「はい、たっちぃ!」と小さな可愛い手を僕の目の前にかざした。
 最初何のことか判らなかった。でも、すぐに判った。
「Hey! High Touch!」
 僕の掌にぴしゃっとハイタッチして少女達は手を振りながら図書館の視聴覚室を出ていく。
 満面の笑みを浮かべて手を振りながら見送る僕...
 そんな僕の姿を見て家内が言った。
「完全におじいちゃんモードになってたよ」
 ほぉっておいてほしひ...

 その日は大学のオーケストラの定期演奏会のメインを指揮するK先生が来られる日。で、少し時間があったので、さらに、そこから大学に寄って、ブラームス交響曲第4番第1楽章の練習に参加して、チェロを弾いてきた。

 実に実に年齢層の広い人達と一緒に音楽をやらせていただいた2日間。
 で、やはり、思ったのは音楽に年齢なんて関係ないんだってこと。
 それと、僕は音楽なしでは一日たりとも生きていけないってこと。